SAPライセンスの価値を最大化します

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SAPライセンスは、主要なソフトウェアベンダーの中でも最も複雑なモデルの一つとして広く知られています。SAPライセンスの年間コストは、他のどのベンダーよりも早く増加し続けています。SAPは常に使用状況に応じて課金しますが、その使用状況を定義するのはより複雑になっています。SAPライセンスの管理の緊急性はますます高まっており、企業がSAPライセンスの使用状況を制御するには、最初の重要なステップとして、SAPライセンスと使用状況ベースの価格設定の仕組みを完全に理解する必要があります。

ネームドユーザーはSAPアプリケーションのライセンスの重要な指標です。基本的なライセンスタイプは、「プロフェッショナル」、「限定プロフェッショナル」、「従業員」です。

プロフェッショナル・ライセンスは、合意されたライセンス指標の範囲内で、特定の運用タスク、システム管理を行うことができるネームドユーザーです。このライセンスは最も高価なもので、新たなデータを生成するなどの業務を行うヘビーユーザーにお勧めです。

限定プロフェッショナル・ライセンスは、ソフトウェア・ライセンスで定義された、限られた業務上の役割を果たすことができるネームドユーザーです。このライセンスは、プロフェッショナル・ライセンスよりも安価です。プロフェッショナル・ライセンスを持つユーザーと同等の機能を実行できる場合があるため、SAPでは限定プロフェッショナル・ライセンスの販売を中止しています。

従業員ライセンスは、純粋に自分自身のためにタスクを実行できるネームドユーザーです。

会社で使用するSAPパッケージが選択されると、ネームドユーザーライセンスの慎重な管理が実際のSAPコストに大きな影響を与えます。
したがって、各ネームドユーザーが適切に識別され、分類されることが重要です。

ユーザーの分類

ユーザーを分類することは、SAPライセンスにおける課題の一つです。ユーザーを分類する方法はさまざまです。正しい分類を使用すれば、コストを大幅に削減できますが、間違った分類を使用すると、SAP契約に問題が発生し、結果的にコストが増加する可能性があります。

ライセンスタイプは明確に定義されていないため、組織はライセンスの交渉の余地があります。分類されていないユーザーには、デフォルトで最も高価なライセンスが割り当てられるため、ユーザーを分類するのがベストです。ライセンスタイプも、1種類の分類を選んで、変更しないのが最善です。ユーザーの分類を頻繁に変更すると、SAPの疑念を招きます。

SAPユーザーは、使用状況によって分類されることがあります。ただし、SAPユーザーを使用状況別に分類する場合、考慮すべき要素がいくつかあります。

操作回数

ユーザーを分類する一つの方法は、ユーザーが行う操作の回数です。SAPには「ダイアログステップ」と呼ばれるものがあり、これは単純に使用されたキーストロークとスクリーンの数を表しています。つまり、月に1,000回以上のダイアログステップがあるユーザーは、システムを頻?に使用するので、おそらくプロフェッショナル・ライセンスが必要だと考えられます。逆に、あまり使用しないユーザーには、従業員ライセンスが与えられます。

操作回数でユーザーを分類することは理解しやすく、またSAPにも説明しやすいのです。しかし、マイナス面は、ユーザーが何をするかを考慮していないことです。

例えば、あるユーザーがSAPシステムの電話帳を1,000回使用した場合、そのユーザーが電話帳の番号しかチェックしていないにもかかわらず、この分類では、そのユーザーにはプロフェッショナル・ライセンスが必要であることが示されます。このユーザーは新たなデータを生成するなどの作業を行っておらず、データを読んでいるだけなので、従業員ライセンスしか必要ないはずです。

様々な操作の数

ユーザーを識別するもう一つの方法は、ユーザーがアクセスするさまざまな操作によるものです。ユーザーは、使用しているアプリケーションによって分類されます。ユーザーが1つのアプリケーションしか使用していない場合、そのユーザーには従業員ライセンスが与えられますが、10以上のSAPアプリケーションを使用している人には、おそらくその使用状況に応じたプロフェッショナル・ライセンスが必要になります。

残念ながら、このような分類では、ユーザーが何をしているかということも考慮されていません。複数のアプリケーションを使っていてもデータを読み取るだけの場合もあれば、1つのアプリケーションしか使用していないユーザーがデータの作成や変更などを行っている場合もあります。

ユーザーの種類

アクティビティグループによるユーザーの分類では、ユーザーは、使用状況に基づいて参加しているグループの最高レベルで分類されます。ユーザーグループの分類は、ユーザーが実行するアプリケーションを特定した上で、アクティビティグループを作成し、アクティビティグループとライセンスタイプを関連付けることで行います。例えば、複数のアプリケーションからデータを閲覧するだけのグループには従業員ライセンスを、データベースのエントリーを作成・変更するグループにはプロフェッショナル・ライセンスを設定します。ネームドユーザーは、異なるユーザー名で複数のアクティビティグループに所属することができ、最も高いライセンスタイプのアクティビティグループがそのユーザーに割り当てられます。

アクティビティグループによる分類には多くの時間がかかります。ライセンスの使用状況を最適化するためには、各ユーザーの実際のアクティビティを徹底的に調査する必要があります。

ユーザータイプ別のライセンスの最適化

複数のオフィス拠点を持つ大企業や、異なる地域に子会社を持つ企業では、各子会社が独自にデータを最適化して管理するのが良いでしょう。

組織本部は、ライセンスの計測値を設定し、それを配布し、ライセンスをグローバルに最適化します。本部は各子会社の最適化を監督することができ、子会社は他の子会社に影響を与えることなく、また本部が設定したグローバルなパラメータを変更することなく、ローカルにデータを最適化することができます。

このような最適化は大規模な組織にお勧めです。子会社単位のデータを分離できるシステムを置いて、ローカルな最適化を可能にし、各子会社が自社のコストをコントロールできるようにするのが良いでしょう。

ライセンスを使用していないユーザーと不在ユーザーの識別

SAP は、ネームドユーザーごとに 1 つのライセンスタイプしか割り当てませんが、ネームドユーザーはシステム内で複数のユーザー名を持つことができます。最も高価なライセンスに分類されるユーザー名が、そのネームドユーザーのライセンスタイプとなります。

あるユーザーのアクティビティ グループの1つがプロフェッショナル・ライセンスに関連付けられているために、そのユーザーにプロフェッショナル・ライセンスが付与されたとします。もう一方のグループには従業員ライセンスのみが割り当てられます。このユーザーが、プロフェッショナル・ライセンスが割り当てられたアクティビティ グループで実際に使用することがなければ、そのユーザーにはプロフェッショナル・ライセンスタイプは必要ありません。

これは、すべてのマネージャーが仕事をするためにプロフェッショナルのSAPライセンスを与えられていたとしても、全員がこれらのアプリケーションの一部にアクセスする必要がない場合に起こります。実際には使用されていないプロフェッショナル・ライセンスの料金を支払っていることになります。

この問題は、ネームドユーザが組織に関係なくなり、ネームドユーザに関連つけられたユーザー名が閉じられていない場合にも発生します。SAPには、ユーザーが長時間ログインしていないことを検知する方法があり、組織に通知します。監査に備えて頻?にチェックするほうがいいでしょう。

間接アクセスの識別

もうひとつ注意しなければならないのは、サードパーティのアプリケーションからSAPシステムにアクセスすることです。SAPは、SAPを間接的に使用するサードパーティ・アプリケーションを識別し、RFC(リモート・ファンクションコール)として提供しています。

SAPへのリモートコールを識別することが最善でしょう。識別できないアクセスは、異なるユーザーと解釈される可能性があります。例えば、サードパーティのアプリケーションがデータを見るために SAP システムに 10 回アクセスしたとします。SAP はそれを 10 人のユーザーが SAP にアクセスしていると解釈し、10 人分の追加ユーザーの支払いを求めることができます。

アクセスが特定されたのであれば、組織はSAPに間接的なアクセスの正確な説明をすることで、コストを削減することができます。

おすすめポイント

  • SAP のライセンスは、さまざまな方法で最適化することができます。どの方法が組織にとって最適なのかを見極め、個々のユーザーに適切なライセンスタイプを割り当てることが最善です。
  • ユーザーの使用状況を定期的に確認することで、非アクティブなユーザーを早期に発見し、それに応じてライセンスタイプを変更します。
  • ライセンスの追加コストを回避するために、すべてのリモート・ファンクションコールを識別します。
  • ユーザータイプ別のライセンス最適化は、大企業が競争力を維持し、SAPプラットフォームを含む高価値のアプリケーションを効果的に管理するために有効な手段です。

資料::
http://searchsap.techtarget.com/definition/SAP
https://www.itassetmanagement.net/wp-content/uploads/2015/04/ITAM_QUICKGUIDE_SAPLICENSING.pdf

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