あなたの会社がコスト削減やリスク軽減のためのさまざまな方法を模索しているのであれば、ソフトウェア資産管理(SAM)に目を向けることをお勧めします。
この記事では、ソフトウェア資産とは何か、ソフトウェア資産管理とは何か、そしてなぜそれが重要なのかを説明します。また、あなたの会社で導入可能な最適な方法をいくつかご紹介します。
ソフトウェア資産とは?
ソフトウェア資産といえば、ソフトウェア 、そのライセンス、レポートやデバッグログなどソフトウェアから収集したデータ、そしてソフトウェア のライセンス契約や保守契約などの関連文書が含まれるでしょう。
ソフトウェア資産管理 (SAM)とは?
ソフトウェア資産管理 は、IT資産管理のサブセットです。これは、ソフトウェア資産の価値を最大化するための戦略を設定し、ライセンス契約違反によるリスクを管理するためのビジネス手法です。
Capterra社は、IT資産管理のライフサイクルにおいて、ハードウェア、ソフトウェア 、および機器を対象とした5つの段階を特定しています。
ここでは、各段階において、効果的なSAMプログラムが答えることができる質問を紹介します。
1. 調達・購入段階
- この特定のプロジェクトにはどのようなアプリケーションと機能が必要ですか?
- 購買ニーズを予測するためには、どのデータがどれだけ必要ですか?
- ライセンス数は十分ですか?
- 現在のライセンス契約は、最も費用対効果の高い選択でしょうか?
2. 導入段階
- 記録は整理されていますか?また、ソフトウェア使用状況データを簡単に検索できるように、読みやすいラベルを使用していますか?
- ライセンスサーバーに不具合があり、ライセンスが拒否される可能性はありませんか?
- ライセンス使用状況を最適化するための閾値やポリシーを設定しましたか?
3. 運用段階
- ライセンス契約は遵守していますか?
- 特定のアプリケーションへのアクセスに影響するライセンス拒否が発生していませんか?
- 各ライセンスが、誰が、いつ、どこで、どのくらいの期間使用されているかを把握できますか?
4. モニタリング・保守段階
- 有効期限が近いライセンス契約はどれですか?
- 収集データに、正常値から外れたライセンスなどの異常やギャップはありませんか?
5. 消去・廃棄段階
- ソフトウェア の使用状況に基づいて、適切なアプリケーションや機能を削減していますか?
- プロジェクト間でライセンスの再利用は可能ですか?
- プロジェクト間でライセンスの再利用は可能ですか?
ソフトウェア資産管理のメリットは何ですか?
ソフトウェア資産管理(SAM)がどのようなものかご理解いただいた上で、SAMが組織にどのような利益をもたらすかを探ってみましょう。
1. 可視化
データが何よりも重要だと何度も申し上げています。そう、その通りなのです。
どのアプリケーションが組織で実際に使用されているか、どのユーザーにネームドユーザーライセンスとトークンライセンスのどちらが必要か、あるいはソフトウェア の使用状況に基づいてコストをどの程度特定の部門や支店に割り当てるべきかを評価することは、ソフトウェア資産を目に見える形で把握しなければ困難でしょう。
2. リスク軽減
リスクは、さまざまな形で発生します。SAMの分野では、抜き打ちのベンダー監査にうまく対応できず、罰則を適応されたり、風評被害を被ったりという形で発生することもあります。
また、不正アクセスという形で現れることもあります。例えば、使用状況をヒートマップで表示し、異常と思われるアクセスはないか確認します。
もう一つのリスクは、エンジニアが厳しい納期で作業している場合、重要なプログラムに継続的にアクセスできないことで損失が発生する可能性があります。
従業員の不満がたまるだけでなく、プロジェクトの進行に支障をきたすリスクもあります。
3. コスト最適化
豪華なビュッフェレストランでご馳走になったのに、滞在中1皿しか食べなかったという経験はありませんか?ちょっと勿体ないですよね。
さて、企業によっては、高価なライセンスを与えられても、週に数時間しか使わず、最大活用できていないユーザーもいます。
ソフトウェア資産管理では、さまざまなライセンスモデルをシミュレートして、実際のユーザーのニーズに基づいてライセンスを適正化することができます。
4. IT近代化
効果的なソフトウェア資産管理ポリシーは、企業のデジタルトランスフォーメーションの取り組みを支援します。
クラウドへの移行を考えている場合でも、従業員が最新バージョンのアプリケーションを使用しているかどうか記録を確認したい場合でも、ソフトウェア の使用状況を分析することで、正しい方向へと導くことができるのです。
ソフトウェア資産管理はなぜ重要なのでしょうか?
SAMを導入することで得られるメリットについて、すでにいくつかご紹介してきました。
それでもまだご納得いただけないのであれば、別の視点から見てみましょう。
ここでは、最適化されたソフトウェア資産管理プログラムがない場合に起こりうる、望ましくない状況をいくつか紹介します。
- 使用率の低いライセンスのコスト制御を怠ると、継続的に保守費用が増加します。
- 正確でないソフトウェア使用データに基づくチャージバックモデルにより、異なる部門からクレームが発生しています。
- 使用実態の把握が困難なため、ベンダーとの契約再交渉の機会を失っています。
- パッチリリースの管理不備によるセキュリティリスクが発生しています。
- リモートワークやハイブリッドワークの普及に伴うシャドーITの台頭
- 機会費用 - これは、十分に活用されていないライセンスに費やされたお金は別の取り組みに割り当てられたかもしれないし、従業員が余った時間を別のプロジェクトに使えたかもしれないということです。
- 一元化されたポータルがないため、情報の格差が生じ、意思決定に影響を与える可能性があります。
- 使用状況が最適化されておらず、詳細なレポートがないため、世界各地の拠点ではライセンスの奪い合いになっています。
- 特定のアプリケーションに関する特別なトレーニングが必要なユーザーを可視化できないことによるデジタルトランスフォーメーションが遅れています。
- ライセンスホッグ(不必要に複数のライセンスをチェックアウトしたり、同時に使用)やライセンスキャンパー(ライセンスをチェックアウトし、使用しない時でも保持し、いざという時に備える)によるリソースの利用の悪さ
ソフトウェア資産管理のベストプラクティス
ここでは、現在のSAMプログラムを最適化するために採用できる最適な手法をいくつか紹介します。
1. ソフトウェア資産管理のポリシーを制定します
「いつ・どこで・だれが・なにを・なぜ・どのように」という5W1Hを確認します。組織にとってソフトウェア資産管理とは何か、なぜ戦略に取り入れることが重要なのか、プロセスの範囲と詳細はどうなっているのかを定義しなければ、この取り組みの効果を評価する際に使用される目標と基準を設定することは難しいでしょう。
2. SAMの重要性について、すべての関係者を教育します
方針が明確になったら、次のステップは関係者に詳細を紹介することです。
経営陣に対しては、予想されるコストとROI、および組織のロードマップにどのような影響を与えるかを説明することで実現できます。
エンドユーザーに対しては、個人および部門の使用状況のダッシュボードを見せて、対処すべきソフトウェア の使用行動を特定し、その行動が組織全体に及ぼす影響を知らせることで対処できます。
3. 適切なSAMソリューションを活用します
ソフトウェアの使用状況を収集し、分析し、管理することがいかに重要であるかを述べました。
手作業で行うと、このプロセスに時間がかかり、不正確なデータになる可能性さえあります。適切なソリューションは、プラットフォームに関係なく、さまざまなソースからデータを収集する機能を備えている必要があります。
また、さまざまなレベルの使用状況を確認し、さまざまなニーズに対応できる柔軟なレポートを作成できる必要があります。
また、機能の使用状況をベンダーの価格表に対応付け、ライセンスモデルに関係なく契約をシミュレートできる必要があります。基本的に、適切な SAM ソリューションは、上記のセクションで述べた 4 つの利点を提供できるものでなければなりません。
4. 疑問がある場合は、ためらわずにSAMマネージドサービスプロバイダ (MSP) を使用します
一部の組織では、すでにSAMポリシーが設定されています。そのような組織には、効果的なSAMプログラムを実行するための強力な基盤があり、プロセス全体を管理する専門チームがあり、進捗状況をモニタリングするためのツールがあります。
しかし、これらの要素がなしに、SAMマネージドサービス・プロバイダーから恩恵を受けることができる組織もあります。
5. SAM関連の最新ニュースや、ベンダーのライセンスモードの変更について、常に最新情報を入手します
SAMやITAM関連の最新情報を入手します。
ソフトウェア資産管理ソリューションの最新機能や、この分野の最新プラクティスを読むことで、自社のプロセスを最適化し続けることができます。
また、さまざまな技術革新に直面する中で、SAMがどのように適切な状態を維持し続けるかを学ぶことができます。
ソフトウェアライセンス管理が FinOps のパズルの重要なピースであることをご存知ですか?
ソフトウェアライセンスの使用状況を把握することでスマート・マニュファクチャリングが促進されることをご存知ですか?
SAM チームまたは SAM MSP は、ベンダーのライセンスモデルにおける最新の変更情報についても入手する必要があります。たとえば、 Autodeskは新しいライセンス形態の変更を導入しました。
ライセンス更新の前にこの情報を知っておくことで、現在のポートフォリオを最適化することができます。
結論
ソフトウェア資産管理は、ITにまつわるすべての問題を解決するものではありません。とはいえ、リソースの最適化を目指す組織には欠かせないプロセスです。
ソフトウェア資産管理をどこからどのように始めたらよいかわからない場合は、当社のビジネスソリューションコンサルタントとの 30 分間のミーティングをご予約ください。
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